石油はどのようにしてできたのか?
石油はどのようにしてできたのでしょうか。
休憩でのどを潤したおじいさんの話がいよいよ佳境に入っていきます。
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ああ、おいしかった。
さて、どこまで話したかな?
石油はどうしてできて、地下に溜まっているかというところまでだよ。
そうだった。では、まず、石油がどうしてできたかから話をしようかな。
じゃ、クイズ第3弾だ。石油はなにからできていると思う?
それは簡単だよ。炭化水素でしょう? メタン、エタン、プロパン・・・・
あはは・・・。もちろん、それらも含まれているけど、石油は文字通り油だからね、もっと炭素数が多くって、構造も複雑な炭化水素からできているんだ。
そうだね。でも、その炭化水素はどうしてできたの?
石油がどうしてできたか。いくつかの説があるけど、もっとも有力なのは生物、つまり有機質だと言われている。有機質については、お父さんから聞いたろう?
うん、植物や動物などでしょう。
そう、そして石油の故郷は海なんだ。
海?
そうだよ。つまり、海のプランクトンや魚など海の生物が死んで、底に沈み、その上に川から運ばれてきた土砂が堆積して、さらに底深く沈んでいく。底深く沈むと、温度や圧力が高くなっていく。このような中で、何億年という時間が経つと、有機物が次第に変化して最終的には、炭化水素に変化するんだ。これを漫画で示すとこのようになる。
何億年というと、地質年代ではなんと言ったかな。
地質年代はもう習ったのかい。地質年代で言えば、ジュラ紀、白亜紀、第三紀くらいだ。3億年から6.000万年くらい前ということになるね。
へぇー。そんな前にできたんだ。ところで、さっきおじいちゃんは、石油の故郷は海だと言ったけど、陸地にはないの?
いい質問だね。石油の故郷は海だというのには理由があるんだ。故郷は遠きにありて思うものって知ってる?
今は故郷を離れて、別の場所にいる人が懐かしく故郷を想うことだよね。
ピーンポーン。石油は海の底でできたとして、いつまでもそこにいるわけではないんだ。故郷を離れて別の場所に移動していく場合が多いんだ。いわば、旅をするんだね。
そうなの?。どうして移動するの?
さっき図でみたように、石油が溜まっていた石には隙間があってつながっていただろう。
うん。
その隙間を通って地上へ向かって移動していくんだ。
でも、隙間があっても動くとはかぎらないんじゃない?
それは・・・・。またクイズだ。
こんどはなーに?
水と油はどちらが軽い?
それは、簡単でしょ。小学生でも油は水に浮くって知っているよ。石油も油だし。
そう、実は石油のできた石にはもともと水もあるんだ。かつては海だったから、当然だよね。
そうか。だから、有機質が石油に変わると、水の中を上へ上へと移動していくんだ。
どこまで移動するの?
いい質問だね。途中に障害がなければ、地上まで移動することになるよ。
地上? それじゃ石油は溜まらないんじゃないの。
地上まで移動するのは、途中に障害がなければということだ。あれば当然そこで移動は止まる。
どんな障害?
そう、そこが重要なんだ。どんな障害だと思う?
うーん、移動が止まるということは、上には行けない・・・・。そうか、隙間がなくなるということじゃないのかな?
そう、地層というのは、いろいろな岩石が積み重なって層になっているんだけど、中には泥などが固まってできた非常に密で水も油も通さない層もあるんだ。
粘土のような?
そう、たんぼに水が溜まるのと同じだね。でも、そんな層があるだけではだめなんだ。
へぇー。
背斜構造と言うんだけど、図のように山型になっていないと、横に移動して、亀裂があったり、断層があったりするとさらに上に移動していくことになる。
それは、どうしてできるの?
地球の地面というのは、大昔から何万年、何百万年という時間をかけて動いているんだ。ほら、地震が起こると、「今回の地震は太平洋プレートが大陸プレートに潜り込んで起こったと推測されます」とテレビなどで専門家が言っているだろう?
日本も昔はユーラシア大陸にくっついていたのが、今の位置に移動してきたと聞いたことがある。
そう、海だったところが山になったりすることもある。地殻変動と言うんだけど。今世界一高いといわれるエベレスト付近も大昔は海だったんだ。地殻変動で地面が盛り上がって、陸地になりあんな高い山になったということだよ。
そのような地殻変動で、背斜構造ができると、移動してきた石油が上にも横にも行けなくなってそれ以上移動できなくなり、溜まっていくというわけだ。
なるほど。
今までのことを簡単にまとめると、図のようになる。左の図は、帽岩がない場合、石油は地上に達する。一方、帽岩がある場合は右の図のように、石油は帽岩の中央に集まるということだ。
さっき、光が言った陸地にはないのかという質問だけど、答えはわかったかな?
答えは「ある」だよね。
そう、地殻変動で、昔海だったところが、陸になった場所には石油がある可能性があるということだね。
中東などの産油国は、昔は海で、背斜構造だっけ? そんな地層が多いということだね。
簡単に言えば、そういうことになるね。それはそうなんだが、もう1つ重要なことがあるんだ。
まだあるの?
石油の溜まっている量なんだ。
量?
そう。我々が、石油を利用するためには、まず、どこにあるかを探さなくてはならないよね。
つまり、背斜構造がどこにあるかを見つけるということ?
その通り。でもそれが見つかってもそこに石油があるかどうかは、大掛かりな装置を使って地下に向かって井戸を掘ってみなければわからない。
そうか、背斜構造があっても、必ずしも石油があるとは限らないということだね。
その通り。井戸を掘って、石油があったとしても、その量が経済的に見合うかどうか。
これらの条件がすべてクリアされて初めて、石油は地下からくみ出され、我々が利用できるというわけだ。
そうか、大変だね。産油国にはそれらが備わっているということだね。
今まで話してきたことは、聞くだけでは簡単そうにみえるかもしれない。でも、石油の元になる動物の死骸などの有機質が実際に石油になる割合は、どれくらいだと思う?
うーん、ちょっとわからないなぁ。10%くらい?・・・
約2%程度と言われている。
そんなに少ないんだ。
さらに、石油ができたとして、それを取り出すにはある程度の量がないといけない。
そりゃそうだね。1か所にちょっとしかなければ、何カ所か掘らなければならないから、その分お金がかかるよね。
そう、経済的に取り出される量の石油が溜まる割合は、約0.5%程度と言われている。
結局、何千年前にできた有機質が石油となって、我々が利用できるのは、0.01%くらいということ?
そのとおり。このことからも、石油というものがいかに希少なものかがわかるんじゃないかな。
へぇ。石油ってガソリンや灯油など身の回りにたくさんあるからそんなに貴重なものとは思っていなかったな。
大切にしなきゃいけないんだね。
これで今日の話はおしまい。つぎは、この石油をどのようにして見つけ、どのようにして地下から取り出すのかについて話そう。
おじいちゃん、ありがとう。疲れた?
うん、疲れた。こんなに話したのは久しぶりだからね。
お疲れさまでした。お風呂はどうですか。
ありがとう、そうしよう。