石油や天然ガスはどれくらいあるのか?
世界に石油や天然ガスはどれくらいあるのでしょうか。
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おはよう、おじいちゃん。
今日は、あいにくの天気だね。
絶好の講義日和かな。さて、今日は世界に石油はどれくらいあるのかについて話そう。
その前に覚えておかなければならないことがあるので、それから話そう。
わかった。
まず、石油の量の単位だね。
量の単位? 石油は液体だからリットルじゃないの?
うん、リットルの1000倍のキロリットルを使う時もあるが、石油には独特の単位があるんだ。
独特? あっ、分かった。バーレルじゃない?
そう、バーレルだ。バレルという場合もあるけど、bblという記号で表すんだ。
バーレル? そういえば、新聞で読んだことがあるかも。でも、なんでキロリットルを使わないの?
そうだね。バーレルというのは、実は木の樽なんだ。
へぇー。なんで木の樽を使うの?
それは、もともとアメリカで石油を運ぶときに、木の樽を使ったことがきっかけなんだ。その量が42ガロン、メートル法では159リットルなんだ。
えらく中途半端だね。
そうだね。でも、これが長年使われたことから、今でも石油の単位としてバーレルが使われているんだ。
そうなんだ。メモしておこう。えっーと。1バレルは、159リットルだね。
うん。さて、次は埋蔵量だね。
まいぞうりょう?
地下に埋まっている量のことだね。
あっ、埋蔵金の埋蔵ね。この前、テレビで徳川の埋蔵金探しという番組をみたよ。
ははは、あれはあるかどうか分からないけど、石油は確実にあるよ。石油は地下でできて、地下に溜まっている。その量はどれくらいあるのか。これは石油が使われだしてから、人類の関心ごとなんだ。なにしろ、使い終わったら終わりだからね。
そうだね。僕たちの身の周りは石油だらけだから、これがなくなったら、大変だからね。
2020年末時点で確認できている埋蔵量は、1兆7324億バーレルと言われている。
うーん、1兆・・・バーレルと言われてもピンとこないね。
そうだね。では、なにかに例えてみようか・・・・。光、日本一の湖はどこかな?
そりゃ、琵琶湖でしょう。
そう、その琵琶湖に石油を貯めるとすると、琵琶湖はいくつ必要か? 実、計算できるかな?
やってみる。そのためには、まず琵琶湖の水がどれくらいあるのかしらべなくっちゃ。
貯水量だね。
スマホで調べてみよう。え・・・っと、琵琶湖の貯水量は?と・・・・。あった、275億m3だ。次に、バレルをキロリットルになおさなくっちゃ。
兄ちゃん、1バーレルは159リットルだから、キロリットルにすると0.159klだよ。
そうだね。1兆7324億バーレルに0.159を掛けると、2,754億キロリットルだね。1m3は1キロリットルだから、2754億キロリットルを琵琶湖の貯水量275億m3で割ると、・・・・。なんだ、暗算でほぼ10だね。
そう、琵琶湖約10個分が現在の埋蔵量ということだ。
琵琶湖が10個・・・・多いのか少ないのか?
そうだね。問題は、この埋蔵量が何年でなくなるかということだね。それを知るためには、現在の世界の石油の消費量が必要だね。
(スマホを見て)2020年では、1日で8.848万バレルといわれているらしいよ(BP統計)。コロナの影響で消費量が大はばに減っているんだって。
そうか、コロナの影響はこんなところにもあるんだね。埋蔵量を消費量で割ったのを可採年数というんだけど、これはあと何年石油を使えるかという指標だよ。また、計算してみて。
うん。えっーと、埋蔵量を消費量で割るんだね。消費量8.848万バレルは1日分だから、365倍して1年分の消費量にする。埋蔵量1兆7297億バーレルをこれで割ると、約53年だね。
コロナの影響を考えて、約50年というところかな。わしが若いころは、可採年数は40年と言われていたよ。
増えてる?
そうだね。可採年数というのは、いわばマジックナンバーなんだ。
マジックナンバー? プロ野球でシーズンが終わりに近づくと出てくるやつだね。
そう。計算式で分かるように、埋蔵量と消費量で変わるんだ。
埋蔵量は変わらないから、消費量が増えたり減ったりして変わるということ?
もちろん、それもあるが、埋蔵量も変わるんだ。
埋蔵量も変わるの?
そうなんだ。埋蔵量というのは、地下にどれくらいあるかという指標なんだけど、その絶対量を知ることはできない。わかるのは、現在の技術でどれくらいとれるかを確認した量なんだ。
減ることもあるの?
いや、いったん確認した埋蔵量の数字は、石油の生産をしない限り減ることはないが、技術の進歩で新しい油田が発見されたり、回収率の向上によって増えることもあるんだ。
なるほどね。えっ、回収率ってなに?
そうか、まだ回収率の話はしていなかったね。実は、石油というのは、地下にある分をすべて回収する、つまり、地上にくみ上げることはできないんだ。
そうなの?
たとえば、地下に石油が100あるとすると、回収できるのはせいぜい30にも満たないんだ。
30%? どうして100%回収できないの?
それはね。石油がどんな状態で地下にあったかを考えるとわかるよ。
えっと、地下では砂岩などの岩石の隙間にあるんだよね。
その通り。もし、石油がタンクのような空洞にあれば、100%回収することは簡単だけど、小さな隙間にあるということは、いくらそれらがつながっているといっても、細い隙間を移動して、井戸に集まってくる石油は限られてくる。要するに、抵抗があって、すべての石油が井戸の方に動くことはできないんだ。
なるほど。
もちろん、せっかくあると分かっている石油を少しでも多く回収するための努力は行われているが、ここでは省略するよ。
わかった。
さて、少し話が逸れたが、可採年数に戻すと、埋蔵量のほかにさっき実が言ったように、消費量も世界の景気やコロナなどの社会情勢などで、増えたり減ったりするというわけだ。
よくわかった。まさにマジックナンバーだね。
さて、可採年数がわかったところで、問題だ。今世界で最も埋蔵量の多い国はどこかな。
中東のサウジアラビアでしょう?
うーん。ブッブー、残念!
えっ、違うの?
たしかに、昔はサウジアラビアが世界最大の埋蔵量を誇っていたが、今ではベネズエラが世界一なんだ。埋蔵量のトップ10は図に示す通りだ。
へぇー。南米の国だよね。
そう。実はこの国のオリノコ川の流域にオリノコタールという超重質油が眠っていることがわかったんだ。ただ、政治的、技術的な問題があって、生産量はそんなに多くないらしい。
そうか、それじゃやっぱり世界一の産油国はサウジアラビアだね。
と、いいたいところだけど、ちがうんだな。
また違うの? それじゃどこ?
アメリカなんだ。
アメリカ? アメリカに石油があることは知っていたけど・・・・
実は、アメリカではシェールオイルと呼ばれる重質油の回収技術が開発されて、その生産量が大幅に増えたんだ。
へぇー。そうなんだ。
2020年現在の生産量ランキングのトップ10は図のようになる。
これまで、石油を中心に話してきたが、ここで同じ天然資源である天然ガスの話を少ししよう。